(【これまでのあらすじ】完璧なる準備を整えたアルル=カンはこれから一週間を過ごすハリマへと向かう準備を着々と進めていた。だがウカツ!タブレットの容量を見間違え、ダウンロードした映画はほとんどがエラーになってしまっていた。それに気づいたキング・オブ・イディオット、アルル=カン。現代のヤバイ級便利グッズスマホを駆使して暇つぶしにあたるがそれも限界を迎えることは目に見えている。アルル=カンは果たしてどのように逆転するのか。だが、それ以上に現金総額9000円。未だネオソネシティのイェン・ソサエティに気づかないアルル=カンは更にピンチに陥ることになる……。)
今や日本の大都市となったネオウメダシティ。そびえ立つビル群はバイオセメントにより真の姿を我々に見せることはない。
その陰には多くのクローン・サラリマンやリアル・シャチク達が生活している。彼らがカラテを使う場は既に現世にあらず、インターネットカラテでニートの皮を被るのがもっぱら流行である。
「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!シャチクども働けーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!働いているサラリマンはおるか!」
そんなマッポーめいた都市からザ・ハリマ・キョシュー・ジョーへの電車があることはあまりに人に知られていない。
タクシー・ニンジャに憧れるニュービーに簡単にルートを説明しておこう。
ネオウメダシティから、まずJR神戸線新快速(姫路方面行き)に乗りカコガワで乗換である。
すぐ向かいのホームにネオソネシティへ向かう列車が用意されている。乗り込めば2駅で着くのだ。実際早い!
さあ、最寄駅ネオソネ・ステーションの姿が今……!
おお……何と質素なホームであろうか!ワザマエ!
ちなみにホームは片側にしかなく、ハリマに向かうにはぐるっと迂回する必要がある。
まず駅を背中にし、右方向へ向かう。
そして奥の方に見えている止まれの標識を右に行く。
運が良ければそれまでに小学生か中学生かの集団と遭遇する。結構癒されるのでここで三時間くらい過ごすのもチャドーめいた楽しみ方である。
田舎学生カワイイヤッター!
ただ通報には備えよう。
そのまま進むと歩道橋が見えてくる。
躊躇いなく登ろう。アンブッシュに引っかかればしめやかに爆発四散してしまうだろう。
左側がローソンへ続く道。右側は正規ルートである。
歩道橋を降りればそのまま道なり。
ドーモ。ハリマ=サン。アルル=カンです。
ハリマへ緊張しながらもエントリー。
入ってすぐ右手に受付がある。
そこにお姉さんたちがいるのでアイサツをしよう。
「ドーモ。オネエ=サン。タックンのアルル=カンです。前入りしてくれと言われたんですが」
「ドーモ。アルル=カン=サン。ゴキゲンョ!少々お待ちください」
「ヨロシク、オネガイシマス」
しばらくすると、オネエ=サンがオレンジファイルと誓約書を持ってくる。
「アルル=カン=サン。これが二種のキョーホンとファイルです。あとこれが誓約書です。確認してサインお願いします」
「アイエエエッ!?ナンデ!サケ禁止ナンデ!?」
「ゴウランガ!我がハリマはサケ禁止!弁えよう」
危うしサケ大好きアルルカン!今日はオウガキリングとサシミでゆっくりするつもりだったのだ!
だがこの誓約書にサインしなければこのハリマには潜入出来ない。
ブッダミット!
契約書にサインをした後はタクシー・ニンジャに必須な視力のテストがある。
普通の視力検査と「深視力」。
つまり、物の遠近を感じ取る視力である。
優秀なニンジャにはファーニアー感も必要なのだ。
三本の棒があり、その真ん中だけが手前に来たり奥に来たりする。三本が同じ位置に来た時にボタンを押すというものだ。
↑こんなやつ。
ベイビー・サブミッション?これが慣れなければなかなか揃わない。ヤンナルネ。
終わればようやく部屋に案内される。
この合宿所はプリズンめいた外観なのだが、実際プリズン。
↑奥に見える白い建物が合宿棟。
夜は雰囲気がガラッと変わり、まるでユーレイ・ススキ・シンドロームに嵌ったようだ。コワイ!
実際オバケが出たらヤバレカバレで逃げるしかない。
そしてオバケより恐ろしいのは、4階建てなのにエレベーター等はない。そして二種は4階に泊まることになるということだ。
普段階段を上る習慣がない人や違法サイバネを備えていない人は一日目でちょっと筋肉痛に悩まされるかもしれない。
ちなみにこの合宿所の一回に洗濯機はある。
そして
アイエエエッ!?いらすとや!いらすとやナンデ!?
どこにでも現れる。こやつもおそらくニンジャである。
荷物を置けば冒険の始まりである。
さあお待ちかねのハリマの周辺をご紹介しよう。
自分の足で開拓したいというタクシー・ヘッズの皆様にはこの地図で十分であろう。
解説しろって言われればするけどね。俺は詳しいんだ。
ただ残念ながら時間がない。日本のどこかで私を必要としている救世主的アトモスフィアを感じるのでそれは割愛させていただく。
ちなみにアルル=カンはこのアリガト店長のコンビニとスーパーをよく利用していた。
近いから使っていただけである。
そんなこんな探検していると既にウシミツアワー五時間前。
明日から始まる戦いに向けてアルル=カンはしめやかに毛布に包まったのであった。ガンバロ!
これで今回は終了。
ではみなさんオタッシャデー!
~次回予告~
いよいよ始まる播磨での暮らし。
暇を持て余し苦悩するあるるかん。
彼はこの生活に耐えることができるのか。
次回『奮闘編』。
この次も、サービス、サービスゥ!