【二種免許】播磨教習所完全攻略!【合宿】~④退所編~


前回までのあらすじ。

 

4日目が終了した。台風も来た。ジェイソンステイサムは来てくれなかった。

 

Day5.September.18.2017(Mon)

本日は6時間かけての応急救護がある。

みなさんご存じでしょう。

決して生き返らない人形に向かって必死に蘇生を試みるアレ。

まず午前2時間は座学。

座学と言っても、これから行う実習をどのような手順で行うのかという確認である。

それが終わるとお昼を挟んでいざ実習!

がちゃーり。

し、死んでる……!

奥の方ではもっと本格的に死んでる……っ!

教官が「人形の前に集まってー」つって、おっさんと私と他2名が集められたのね。

その時衝撃が走ったね。

人形めちゃくちゃあっくん(仮名)に似てんの。

同窓会で一回会ったけどその時のあっくん(仮名)に似てる。

同窓会で会ったのこの人形かもしれない。

もしくはあっくん(仮名)は学校の七不思議の人体模型みたいなやつだったのかもしれない。

もう気づいたらこの人形の名前はあっくん(仮名)。

そんなこと考えて一人笑いを堪えてたら、教官があっくん(仮名)の上着を脱がし始めた。

そしたらあっくん(仮名)の腹に機械入ってた。

胸を圧迫したらそのテンポと強さを教えてくれる機械。

あっくん(仮名)人形じゃなかった。サイボーグだった。

 

ここで第一蘇生措置についてちょっと真面目なレッスンだぞ!

--------------------------←ここから真面目。

胸部圧迫は胸の真ん中ぐらいを真下に押すんだけどもこれが10秒くらいやっただけで結構しんどい。

たぶん思ってるより、数倍強い力で押さないといけない。ちょっとギャリック砲打つ時くらいの力加減。

人工呼吸はまず180cmイケメンが155cmの女の子にキスをするくらいの角度に顎を「クイッ」ってやる。

唇を合わせて息を思いっきり吹き込む。女の子むせるくらい吹き込む。

それから座学でやった第一次救命措置のおさらい。

1.倒れてるあっくん(仮名)を発見する。

2.周囲の状況に気を遣い、自分が事故などに遭わないようにする。

3.近くに駆け寄って意識の有無を確認する。

4.堤真一の保険のCMばりに「誰かー!」と叫び、助けを呼ぶ。

5.助けが来たら、AEDを持ってくる人と救急車を呼ぶ人を指名し指示を出す。

6.心臓マッサージと人工呼吸をして、AEDの到着を待つ。

7.AEDが到着したら使用し、救急車が到着するまで蘇生措置を続ける。

みなさんこの順番をきちんと覚えておきましょう。

さて、もう真面目な時間は終わり。

-------------------------←ここからおふざけ。

 

ここから魔の二人組タイムが始まる……。

赤コーナー!道端に倒れているあっくん(仮名)発見して助けを呼ぶ役ー!おっさあああああん!\ワーワー!/

青コーナー!たまたま通りかかった通行人役ー!It’s ME!\ヒューヒュー!/

おっさんと私のあっくん(仮名)救出活劇である!

一応、おっさんに教官が「手順覚えてないだろうからテキスト見ながらやっていいよ」と助言をしてたんだけども、

おっさんはなぜか自信満々で「だいじょぶですだいじょうぶです」つって頑なにテキスト持とうとしないわけ。

仕方ないから教官の合図で上映開始。

 

テイク1

ゆっくり歩くおっさん。「あ!あんなところに!」つって駆け寄っていくおっさん。

ここで教官が「ちょっとまってやり直し」とカット。

全員が気づいてた。おっさんだけが気づいてなかった。

 

テイク2

ゆっくり歩くおっさん。「あ!あんなところに!」つって駆け寄っていくおっさん。

ここで教官が「ちょっとまってやり直し」とカット。

全員が気づいてた。おっさんがまだ気づかない。

さすがに教官も時間の無駄と思ったのか、「周囲を確認してから近寄ってね」と優しく言ったわけ。

「ああ!なるほどなるほど」つっておっさんはあんなに持とうとしなかったテキスト片手に再上映開始。

 

テイク3

ゆっくり歩くおっさん。「あ!あんなところに!」つって周りを気にしつつ駆け寄っていくおっさん。

「大丈夫ですかー!大丈夫ですかー!」おっさんは叫ぶ。

「誰かー!誰かー!」おっさんは叫ぶ。

たまたま通りかかった私と教官。

「どうしたんですか?」

「あなたは救急車! あなたはAEDを持ってきてください!」

いや、何があったかわからんのに救急車呼べないだろと思いつつ、私はAEDを持ってくる役に徹する。

「わかりました!」

すぐにあっくん(仮名)の蘇生に取り掛かるおっさん。

押す早さも強さもばっちりだけど押す場所が全然違う。

あっくん(仮名)がどんどん三途の川を渡ってく。

人工呼吸は首「クイッ」てしてないから全部漏れてる。

あっくん(仮名)がどんどんバタフライで三途の川を渡ってく。

その時私がAEDを持って登場。

「あったよAEDが!」「使ってください!」「使い方わかりません」

「私やります」つって救命措置をやめてゆっくりAEDを弄っているおっさん。

あっくん(仮名)がジェットスキーで三途の川で遊んでる。

もうあの世の常連状態。

なんとかAEDを装着出来て「離れてください!」と必死のおっさん。

おもちゃだから電気流れないから。流れたらサイボーグあっくん(仮名)でも死ぬから。

AEDが「電気ショックを行いました。蘇生措置を続けてください」つって充電開始。

実はその間も蘇生措置は続けなければならない。この間2分。心臓マッサージ2分かなりしんどい。

2人で頑張っていると、AEDがまた話し出す。

「電気ショックを与える必要があるか、判断しています」

・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

「電気ショックは必要ありません」

あっくん(仮名)は死んだ。

 

Day6.Septenber.19.2017

いつものように朝の点呼。

いつものように朝一発目の学科。

そしていつものようにおっさんがいねぇ。

教官が言うことにゃおっさんは朝から何かの蕁麻疹に侵されて病院へ行っているらしい。

「落ちたもの食ったのかな?」つって聞かれたから自信満々に「食いましたねあれは」って言っておいた。

そのせいで予定されていた私の授業がどこかへ飛んだ。

飛んで飛んで飛んで。

ハロー円広志。

おっさんは昼になると当たり前のようにシミュレータ室にいた。

しかも何でこうなったかはわからないらしい。たぶん落ちたもんでも食ったんだと思う。

今度は時間飛ばなかった。グッバイ円広志。

今回は夜間シミュレータ。

夜の道に潜む危険を察しながら運転を行うのだ。

最初は普通に夜運転するのと変わんないじゃんって思ってたんだけども、しばらく経ったらツッコミだらけで頭がおかしくなりそうだった。

なんでかって言うと、ずっと変なやつらがうろうろしているのね。

普通に運転してたら道端でジジイが寝てる。

普通に運転してたら夜中にひとりで子供が遊んでる。

普通に運転してたらどんどんヤバイ奴しか目に入らなくなっていく。

その他諸々完全にスラム街。いやスラム街というか、なんていうかな、変なやつしか住んでない町みたいな。

よーするにジョジョみたいな町よッ!

たぶん振り向いたら帰ってこれない路地があるはずなんよ。

そんなこと考えてたら無事誰一人轢き殺さず終了。

おっさんは後ろで私のプレイを見てただけで3D酔いしてしまってプレイできず。ずるいねゆるせないね。

本日の最後は危険運転。技能になります。

もちろんさっき酔ってたおっさんも一緒です。

車運転するときに「歩行者前方確認しましたー、スピード落とします」とか「前の信号黄色なので停止の準備します」とか逐一運転報告しながら運転するやつ。

まずは教官が一時間かけてこの方法を一緒に車乗りながら説明していくのね。

ただ空気を読まないおっさんは酔っていても健在で、ずっと教官に話しかけている。

見える、見えるぞ、今教官のイライラゲージが見える。

教官負けるな。教官戦え。赤勝て白勝て!

ついにこの長い闘い(一方的な攻撃)が終わった。

教官頑張った。

だが油断するな。まだ次の時間があるぞ。

次の時間は私たち二人が実際に報告しながら運転する時間。

どうなるか想像して震える。

だいぶ具合悪い西野カナちゃん状態。

10分休憩後再び教習車で外へ。

最初は私が運転。

意外と声に出して運転するって難しい。

だって日常生活に例えたら、「息が苦しくなって来たので息吸う準備をします」とか言ってるようなもんだからね。

ゲシュタルト崩壊しますわ。

軽くシミュレータで見たジジイとか見えてきたかもしんない。アブナイアブナイ。

先鋒私の番は終了し、次鋒おっさん。

結果だけ言おう。

おっさんは一回も口を開くことはなかった。

 

Day7.Septenber.20.2017

おはやうございます。

本日は筆記テスト本番の日です。緊張します。

一時間目です。緊張します。

やったぜ。

見事96点を取りました。

実はこのテストで90点未満だったら最後の時間にもう一回テスト受けないといけないから絶対にここはとっておきたかった。

ホントよかった。絶対にもう一回テスト受けたくなかったからなー。

おっさんはどうやら80点ぐらいだったらしい。

勉強してないから点数取れないんですよ!フフフ!

もう消化試合的な感じで授業を消化して、いよいよ最後の授業。

これで播磨で受ける授業はもう終わりなのだ。

色々あったけど、これが最後だと思うと感慨深いものがあるなぁって柄にもなく考えてしまいました。

そこで教官の無慈悲な一言が私を苛む。

「じゃああるるかんもおっさんの付き合いで、一緒にテスト受けよか」

なんでそうなるん。

はい、最後の授業はテストでした。

明日は卒業検定。本番の本番です。

ここを落とすともう終わりです。

頑張ります。

ちなみにおっさんは技能が卒検の水準に達していないから明日には帰れません。

 

Last Day.Septenber.20.2017

おはようございます。朝です。

清々しい朝です。

卒業日和です。

そんな清々しい朝のいつもの点呼。

教官からあるご報告が。なんでましょ。きっと素晴らしい報告に違いないよ。こんな滅多に訪れない素晴らしい朝に嫌な報告なんてあるはずがないよ。

はいはいなんですか、つって軽い気持ちで聞き返したらおっさんが「俺は帰る!」と暴れてるらしい。

なんでそれ今私に言うのか。台無しだよ!

そんなことをぐだぐだ話していると、教室に内線が鳴り響く。受話器を取った教官が「落ち着いた?そうか」ってぼそっと。

「落ち着いたみたい」って笑わないでください。強敵と戦ったあとの主人公じゃないんだから。

その後今日卒検の人は別室へ。

何度か技能で一緒になった運転めっちゃ上手なお兄ちゃん。

さあ果たして結果は……!

普通に合格しました。

いや、あのね、試験の内容が書きたくないとか書くのが面倒くさいとかそういうことじゃなくて、内容が無い。

普通に運転してたら合格しました。

その後、お兄ちゃんと2人で教官に連れられ合格証を受け取って、この1週間を過ごしてきた部屋を掃除して鍵を受付へ返還し、帰路へ。

帰りの曽根のホームでゆっくり電車を待つ。

ああ、本当に長い一週間だった。

今思い返せば……おっさんに振り回された一週間だった。

おっさん……もう会うことはないだろう……

って隣におる……なんでや……

「今日帰ってまた来て技能受けることになったわ」

おっさんの背中は、なぜか誇らしげだった。

「播磨教習所完全攻略!」完。

次回 番外編「門真試験場編」


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